2007年 12月例会
松竹梅作り(正月飾りづくり)

 2007年12月16日(日)、いつもなら第1日曜日が友の会の例会なのだが、今日は夕方からの忘年会もあるので、師走の半ばの開催となりました。
 会員は、1鉢3,000円という価格ですべての材料を提供してもらい、園主と元園主(勝さん)の指導を仰ぎながら、各自思い思うに松竹梅作りを始めました。 

 さあ、スタート! 午前中は風もなく日差しがあり、外での作業も快適に進みます、・・・。
 園主の向こうには、見本となる飾りが出来上がっています。
  (HR管理人は人を迎えに行っていたので、惜しくも解説を聞けませんでした。)
 
 さあ、始めましょう!
 関西の松竹梅飾りは、梅が主役です。樹の正面は花芽が多い方を選びます。(盆栽と違うところですネ)
 
 次の画像が、見本の飾りつけ。正面左側からの撮影です。
 お家の玄関を入って右側に置かれる設定です。
 左側から、福寿草の山(石を添えて小島のように仕立ててもいいようです。)、 別の山に・梅・竹・松(五葉松)を合わせた山を作ります。赤い葉の南天は、裏側から少し顔を覗かせます。
 藪こうじが正面に添えられていますが、この実は作り物です。勝さんは、お客さんの要望を聞きますが、あまりこの藪こうじを添えるのは賛成ではないそうです。(=これだけが人工物なので)
 
 左手前の石は梅の木の左から足元を支えるように置かれています。また、五葉松の足元の前にも石が置かれて、それぞれの足元の弱さを隠します。(鉢も含めて全部で3,000円での提供ですからネ)
 
 中央の石は、天が平べったいものを選ぶといいそうです。
 園主が、素焼き鉢に入っていた梅の根を、コテで薄く切り取ってしまいます。盆栽に対する繊細さとはうって変わって、ずいぶん乱暴なようですが、これで梅はしっかりとした花を咲かせてくれ、元気に育つそうです。
 長年の経験からの知恵です。

 会員に教えながら勝さんは樹の配置を決めていきます。この最中にも、勝さんの目は、隣の飾り方が気になっているようです。
 使ってる土は、下水処理場の処理過程で沈殿する物からできているそうです。廃物の再利用です。あまり植えやすい物ではないそうですが、水捌けも良く、樹の成長には良いそうです。
 勝さんは、松竹梅作りの大ベテランです。植木産業の盛んな大阪池田市で、松竹梅作りを商売としていた当時、勝さんの飾り方を近所の職人が見に来て、指導を受けていたそうです。もちろんNHKにも、勝さんが登場したそうです。
 飾りながら、勝さんは当時の忙しさをたくさん語ってくれました。
 会員はみんな慌てて仕上げていきます。(これは、いつものことですね。) アドバイスする園主や、勝さんも大忙しです。
 5つの飾りを完成し、ご近所などに持っていこうとする会員さんは大忙し。 大きな鉢に、素材とは違う立派な梅を飾る会員は、入念に勝さんの手直しを受けます。

 会長さんは、ご自分が毎年飾ってきた古い黒松での飾りも作っていきます。
 園主は、会員で鉢作家でもある鎌倉豊楽さんの自作鉢に、洒落た雲龍梅(うんりゅうばい)の飾りを楽しみます。
 田中さんは、会長さんの飾る黒松の手入れの手伝いです。
 豊楽さんは、昨年作った野梅での飾りを手直ししています。
 縁起物なので、樹はいっさい先を止めません。あるがままの姿で楽しみます。
 コケ張りは、盆栽とは勝手が違います。 樹と石で高く作った山のようすを引き立てるように、コケが貼られます。その後、如雨露で水をかけて土を落ち着かせます。

 コケ張りは、園主や勝さんのチェックで、みんな何度かやり直しをアドバイスされました。

 樹や石の周りにコケを貼る山と、低い平らな面(里の田畑を表現します。)を対比して見れるよう、高さを変えておきます。平らな面には、後で白い石を引き詰めますが、この部分が単調にならないよう奥行きや出っ張りを石とコケで演出します。(白い石をひくのは、土が十分に治まってからでいいそうです。)

 12月中旬に白い石を貼ってしますと、水遣りのたびに、泥が跳ね上がったりして正月にもう一度白い石を敷き直すことになってします事もあります。
 
 園主、楽しそう。
 雲龍梅は、針金をかけなくても、枝が自然にクルッと曲がる性質があるそうです。来年はこれで飾ってみるかな。
 おっ、こちらでも仕上がり間近ですね。コケ張りを楽しんでいます。
 1本、1本形の違う樹に合わせて、鉢の上で景色を演出する楽しみが、松竹梅作りにあります。甘く見ていてはできない、素晴らしい技術に出会うことができました。

 松竹梅作りを終えた友の会メンバーは、楽しい忘年会に向かいました。「ほそかわ」では豪華な寄せ鍋を格安で腹一杯いただきながら、親睦を深めました。
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